コラム
注文住宅で照明計画を失敗しないために|後悔しない住まいづくりのポイントをプロが解説

注文住宅を建てる際、多くの方がキッチンや床材、外壁、設備機器などに時間をかけて検討します。
一方で、意外と後回しになりやすいのが「照明計画」です。
しかし、実際に住み始めてから多く聞かれるのが、
「思っていたより部屋が暗い」
「夜になると落ち着かない空間になってしまった」
「スイッチの位置まで考えておけばよかった」
「照明を追加したくても工事が大変だった」
といった、照明に関する後悔です。
照明は、単に部屋を明るくするための設備ではありません。
暮らしやすさや居心地、住まい全体の印象を大きく左右する、重要なインテリアの一部です。

今回は、北海道・札幌で注文住宅やモデルルーム、リフォームの照明計画にも携わるmicsが、後悔しないために知っておきたい照明計画のポイントをご紹介します。
照明計画は「最後に決めるもの」ではありません。
住宅会社との打ち合わせでは、間取りや設備がある程度決まった後に、照明の打ち合わせを行うケースが多くあります。
そのため、「この部屋にはダウンライトを4灯」「ダイニングにはペンダントライトを付ける」というように、照明器具を選ぶことが目的になってしまいがちです。
しかし、本来の照明計画は「その部屋でどのように過ごしたいか」を考えることから始まります。

家族で映画を見るリビング、読書を楽しむ書斎、料理をするキッチン、ゆっくりと体を休める寝室では、それぞれ必要な光が異なります。
照明器具のデザインや灯数を決める前に、家族の暮らし方や部屋の使い方を具体的にイメージすることが大切です。
また、部屋ごとに必要な明るさも違います。
「とにかく明るくしておけば安心」と考える方も少なくありませんが、必要以上に明るい空間は落ち着きを失います。反対に、暗すぎる空間では日常生活に不便を感じることがあります。
リビングは、家族が長い時間を過ごす場所です。
テレビを見たり、会話を楽しんだり、お子さまが勉強したりと、一つの空間でもさまざまな使い方をします。

部屋全体を均一に照らすだけではなく、ソファまわりやテレビの背面、飾り棚、観葉植物など、場所ごとに光を使い分けることで、空間に奥行きが生まれます。
映画を見るときには全体の照明を落とし、間接照明だけを点灯するなど、過ごし方に合わせて明るさを変えられるようにすると、より快適なリビングになります。
ダイニングでは、料理が美味しそうに見え、家族の顔が自然に見える光が理想です。

ペンダントライトは人気の高い照明ですが、デザインだけで選ぶと、テーブルとの位置がずれたり、取付け位置が高すぎたり低すぎたりすることがあります。
ダイニングテーブルの大きさや配置、天井の高さ、光の広がり方まで考えて選ぶことが重要です。
将来テーブルの位置を変える可能性がある場合は、照明の位置を調整できるダクトレールを採用する方法もあります。
キッチンでは、デザイン性だけでなく、作業のしやすさや安全性も大切です。

手元が暗いと、食材の色が見えにくくなったり、包丁を使う際に危険を感じたりすることがあります。
特に、吊戸棚やレンジフードによって影ができる場所では、手元をしっかり照らせる位置に照明を配置する必要があります。
キッチン全体の照明だけではなく、作業台やシンク、コンロまわりに必要な光を考えることで、毎日の料理がしやすくなります。
寝室は、一日の疲れを癒やすための空間です。

昼白色のような白く明るい光だけでは、就寝前でも頭が冴えてしまい、落ち着きにくいことがあります。
暖かみのある電球色を取り入れ、必要に応じて明るさを調整できるようにすると、リラックスしやすい雰囲気になります。
ベッドで読書をする場合は、間接照明やブラケットライト、スタンドライトなどを組み合わせると、隣で休んでいる家族に配慮しながら必要な場所だけを照らせます。
最近の注文住宅では、天井をすっきり見せるために、ダウンライトを中心とした照明計画が多く採用されています。
ダウンライトは便利で使いやすい照明ですが、すべての部屋をダウンライトだけで照らすと、空間が平面的で単調に見えることがあります。
ホテルやモデルルームがおしゃれに感じられる理由の一つは、光に明るい場所と暗い場所のメリハリがあることです。

ペンダントライト、ブラケットライト、フロアライト、テーブルランプ、間接照明などを組み合わせることで、空間に立体感や温かみが生まれます。
生活に必要な明るさを確保する光と、空間を美しく見せるための光をバランスよく取り入れることが、心地よい住まいづくりのポイントです。
照明を考える際には、光の色にも注意が必要です。
照明の光には色温度があり、暖かみのある電球色、自然で落ち着いた温白色、作業に適した昼白色、青みがかった昼光色などがあります。
リビングやダイニング、寝室には、くつろぎやすい電球色や温白色がよく使われます。
一方、キッチンや洗面所、書斎などでは、手元や物の色が見やすい昼白色を選ぶこともあります。
ただし、一つの空間で異なる色の光を無計画に組み合わせると、統一感がなくなってしまうことがあります。
家具や床材、壁紙、カーテンの色も考えながら、住まい全体で光の色をそろえることが大切です。
北海道の住宅では、冬の日照時間が短く、夕方から照明を使う時間が長くなる季節があります。
そのため、日中の自然光だけではなく、夜の過ごし方まで考えた照明計画が、住まいの快適さに大きく影響します。
照明器具だけではなく、スイッチの位置や操作方法も照明計画の一部です。

玄関から入ってすぐ照明を点灯できるか、寝室ではベッドに入ったまま消灯できるか、階段の上下から操作できるかなど、日々の動きを想像しながら考える必要があります。
リビングでは、照明をすべて一つのスイッチで操作するのではなく、ダウンライト、間接照明、ペンダントライトなどを分けて操作できるようにすると、過ごし方に応じて明るさを変えられます。
調光機能を取り入れれば、食事や読書をするときは明るくし、映画を見るときや就寝前には明るさを抑えるといった使い方も可能です。
家具の配置や生活動線を考えずにスイッチの位置を決めてしまうと、家具の後ろに隠れたり、遠回りしなければ操作できなかったりすることがあります。
設計段階から家具レイアウトを考えておくことで、照明やスイッチ、コンセントの位置も、より使いやすく計画できます。
家具やカーテンにこだわっていても、照明が空間に合っていなければ、インテリア全体の魅力は十分に伝わりません。
反対に、シンプルな家具を使った空間でも、照明を工夫することで、ホテルライクな雰囲気や温かみのある落ち着いた空間を演出できます。
モデルルームや住宅展示場で「素敵だな」と感じる空間には、家具やカーテンだけではなく、計算された照明計画があります。

照明を設備として最後に選ぶのではなく、家具やカーテンと同じように、インテリアの一部として早い段階から考えることが、注文住宅の完成度を高めます。
micsでは、注文住宅の照明計画をはじめ、インテリアコーディネート、家具レイアウト、オーダーカーテン、小物のコーディネート、リフォーム・リノベーション、モデルルームや住宅展示場の空間演出まで、住まい全体をトータルでご提案しています。
照明器具だけを選ぶのではなく、「どのような暮らしをしたいのか」という視点から、家具の配置やカーテン、内装とのバランスも含めて計画することを大切にしています。

照明計画は、注文住宅の完成度と入居後の暮らしやすさを左右する重要なポイントです。
「どの照明器具を付けるか」だけではなく、「その部屋でどのような時間を過ごしたいか」を考えることで、住み始めてからの満足度は大きく変わります。
北海道・札幌で注文住宅をご計画中の方や、照明、家具、カーテンを含めたインテリア計画で迷われている方は、建物が完成する前の早い段階から、空間全体を見据えて準備を進めてみてください。
micsでは、お客様一人ひとりのライフスタイルや住まいに合わせた照明計画とインテリアコーディネートをご提案しています。
毎日の暮らしがもっと心地よく、もっと楽しくなる空間を、一緒につくっていきます。